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髪型は無限大?
ヴィンテージを集め出すと気になるのが髪色、そして髪型。全種類コンプリートしたい!という夢を持っている方もいらっしゃると思います。私もそう考えてこれまで集めてきたのですが、最近になって「髪型は何種類である」と断言するのは難しいと考えるようになりました。
ヴィンテージの髪型に個体差が激しい事は、お気付きの方も多いと思いますが、これは仕様がたくさんあったと考えるよりも、仕様がはっきりとは決まっていなかったと考える方が自然だと思います。たった1年しか製造されなかった人形にしては、バリエーションが多すぎるのです。前髪があるか、ないかなどの大きな傾向はあっても、きっちりとした形の決まり事が少なく、職人さんのセンスにまかされていた部分が大きかったのではないでしょうか。
というわけで、まずは髪型の傾向についてざっと説明していきたいと思います。
髪型の傾向
髪型はまず、「前髪なし」と「前髪あり」に大別されます。「前髪なし」の基本的なスタイルが「サイドパート」。ブロンドと赤毛の代表的な髪型です。この他に「センターパート」がありますが、これはずっと数が少なく、「サイドパート」のバリエーションと考えて良いと思います。
次に「前髪あり」の基本的なスタイルとして「前髪ちょろり(前髪が薄くて幅が狭いタイプ)」と、「前髪厚め(前髪が厚くて幅が広いタイプ)」が挙げられます。「前髪ちょろり」は茶髪と黒髪の代表的な髪型で、「前髪厚め」は赤毛と茶髪の代表的な髪型です。
「前髪ちょろり」と「前髪厚め」の中間のバリエーションとして「前髪が薄くて幅が広いタイプ(前髪薄広)」があり、これはずっと数が少なくなります。同じように「前髪が厚くて幅が狭いタイプ」というバリエーションもあり、こちらはさほど珍しくないスタイルです。
また、「前髪厚め」のバリエーションとしては「長さが短いもの」と、「長いもの」があり、どちらかと言うと、長い方が人気があるようです。
次に、代表的な髪型とそのバリエーションについて説明していきます。

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[植毛プラグを見てみる?]
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髪型についてもっと良く知りたい方のために、各髪型の植毛プラグの状態を図にしてみました。図では、耳から耳までの生え際1列目のプラグ数を37個にしましたが、実際には5プラグ程度の増減があります。また前髪があるものについては、髪の分け目に対して均等ではなく、左右どちらかにずれて切られているものが多いようです。
※縦の黒線:髪の分け目、オレンジ線:前髪部分、点線:ある場合とない場合がある
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◎サイドパート
この図で見ると分け目がだいぶ左に寄って見えますが、多くは12〜14 対 23〜26 プラグ程度の割り合いで分けられています。
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◎前髪ちょろり
生え際1列目と2列目の間に幅4cmほどの密集したプラグがあるのが特徴。1列目のプラグ数は図では5プラグ程度になっていますが、個体差によりかなり差があり、また左右どちらかにずれて切られている事が多いようです。
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◎前髪薄広
生え際1列目と2列目の間に幅4cmほどの密集したプラグがあるのが特徴。生え際1列目の両端各3プラグ程度は、真中のプラグに較べて2cmほど長くなっています。
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◎前髪厚め
生え際1列目と2列目の間の植毛はあったりなかったりします。この髪型は個体差が大きく、縦に入っている分け目は7〜12列、生え際1列目の前髪の幅も8〜21プラグと大きな差がありました。
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