chapter C. Major Types of Betsy
[ヴィンテージベッツィの種類]
髪の色
ヴィンテージベッツィの髪色は全部で4種類あり、ブロンド、トスカ、レッド、ブルネットとなります。前出のガイドブックによると、トスカは他の髪色の4倍出荷されたとか。ブロンドは色が濃く、まさに「金」のような色。トスカはやや茶色がかったダークなブロンドで、ブロンドとレッドの中間の色。"TONNER"版のトスカともまた違う色ですレッドは赤みの強い茶色。ブルネットはやや黄色味のある濃茶となります。

写真でも分かるように、ブロンドとトスカ、トスカと赤毛は色の違いがわずかなため、このように並べてみてようやく、各色の違いがはっきり分かるようになります。そのため、単体で写真に写っていても髪色が分かりにくく、オークションで購入したは良いものの、髪の色が思っていたのと違っていたという事もしばしばありました(泣)。ある髪色の子を狙って買いたいという場合は、それなりの知識があるコレクターから購入されると良いと思います。

↑左から順に、ブルネット、レッド、トスカ、ブロンド

↑ベッツィの髪色比較。右上から時計周りに、ブロンド、トスカ、"TONNER"版のトスカ、レッド、ブルネット

瞳の色
ヴィンテージベッツィの瞳の色は、これまで見た範囲では、グレーと茶色の2種類ありました。茶色よりグレーの瞳の方が一般的だったようで、より多く見かけます。茶色の瞳のベッツィは髪色がトスカの場合が多いように感じますが、グレーの瞳のトスカもいますので、髪色と瞳との関係ははっきりとは分かりません。

制作時期による違い
ヴィンテージベッツィは制作時期により、髪の植毛の仕方に違いがあります。大きくわけて以下の3つの髪型に分類され、1957年〜、58年〜、63年〜の髪型になります。

1957年〜:"First Year"モデルと呼ばれており、メッシュ地に植毛されています。髪型はセンターパーツに前髪を作ったもので、後期のものより髪型が崩れやすいようです。

1958年〜:翌年から改良され、ゴムのスカルキャップに植毛されるようになりました。横一文字に前髪の植毛ラインが入っている、ちょっとかわった髪型です。

1963年〜:ベッツィ最後の年に制作されたサイドパーツ。

このような違いのほかにも、カールの向きに縦と横があったり、髪が長めのものと、ボブのように見える短いものがあったりと、様々なヴァリエーションが存在しています。

↑左から順に、1957年〜、58年〜、63年〜の髪型

↑ベッツィの髪型比較。右上から時計周りに、58年からの最も多い髪型、57年の"First Year"モデル、63年のサイドパート

初期モデルと後期モデルの違い
下の写真の左が"First Year"、右はおそらく62〜3年頃の、髪型がサイドパートに切り替わる直前のモデルだと思います。

初期のものは眉のまん中が少し太くなった、平たいアーチを描いており、睫は長さや向きがふぞろいで、バサバサした感じです。それにくらべ、後期のものは眉が細くアーチ型になっており、睫も均一の長さと向きで描かれています。

ヴィンテージベッツィのメイクは全て手描きという事ですので、初期の個体差が激しいメイクも納得がいくのですが、63年以降のモデルは、バランスの取れた均一のメイクに変わっています。そのため、この頃からメイクが手作業ではなくなったのではないかと考えられます。

このほかにも、"First Year"のみの違いとして関節を留めているピンがプラスチックでできていることが挙げられます。また、ガイドブックによれば"First Year"のみ、お顔のモールドが違うのだそうです。私自身はいまいちその違いがピンと来ないのですが。。。

↑写真左が初期モデル、右が後期モデル

↑ベッツィの膝部分。左が"First Year"モデル、右が58年以降のモデル。プラスチックのピンは白っぽく、金属のピンは黒っぽく見えています